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小売業界を牽引するセブン&アイ・ホールディングス

日本の小売業の王者はどこかわかりますか?きっとイオングループかセブン&アイ・ホールディングスが思い浮かぶと思います。この2つはもう何年も日本の小売業のトップを争っていますよね。

イオングループの2018年2月期の売上高が8兆3900億円に対し、セブン&アイ・ホールディングスは5兆8356億円なのでイオングループが王者!と売上高だけを見るとそのように見えますが、実は違うんです。

売上高じゃなく、企業が稼いだ利益を見てみましょう。するとイオングループの営業利益が2102億円なのに対し、セブン&アイ・ホールディングスの営業利益は3916億円と、なんと1800億円もセブン&アイ・ホールディングスが上回っているのです!

売上高が多くても、営業利益が少なくては意味がありません。より良い経営をするためには営業利益が必要です。そのため、小売業界の王者はセブン&アイ・ホールディングスと言ってもいいでしょう。

また、イオンは新しい店舗を出すときには借金をして出店していますが、セブン&アイ・ホールディングスには借金がありません。

セブン&アイ・ホールディングスとは

セブン&アイ・ホールディングスは、2005年に株式会社イトーヨーカ堂、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社デニーズジャパンのIYグループの3社によって設立された持ち株会社です。

セブン&アイ・ホールディングスが設立された当時、ライブドアによるニッポン放送買収問題が発生していました。もともと、IYグループはイトーヨーカ堂を中核とするグループで、セブン-イレブン・ジャパンはイトーヨーカ堂の子会社でした。そのため、ライブドアのような敵対的買収が行われないように、イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパンの3社がこの3社の持ち株会社としてセブン&アイ・ホールディングスを設立したんです。

当時、私もIYグループで働いていたんですが、このセブン&アイ・ホールディングスの話はとても急で、看板やポスター、値札やPOPなどを急にセブン&アイ・ホールディングスのロゴの物に取り替えたのを記憶しています。

今は、セブン&アイ・ホールディングスがトップで、その傘下にイトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパンなど、50のグループ会社がいます。

設立時から2016年までセブンイレブンを日本中へ広めた鈴木敏文氏が絶対的君主として会長に君臨していましたが、人事問題により会長を辞任。決定権のない名誉顧問へと退きました。そして後任には、当時セブン-イレブン・ジャパンの社長だった井阪隆一が社長に就任しました。

株式会社イトーヨーカ堂

株式会社イトーヨーカ堂は、1920年に創業された「羊華堂洋品店」を前身とする、全国でGMSのイトーヨーカドーを運営している会社です。一時は日本の小売業のトップを走っていましたが、イオンや自社の子会社のセブン−イレブン・ジャパンに抜かれてしまいました。

現在は、セブン&アイ・ホールディングスの中核企業として、セブン&アイ・ホールディングスを支えています。

一時期イトーヨーカドーの店舗数は200店舗を超えていましたが、現在の店舗数は180店舗弱。ほかのGMSと同じように衣料品が販売不振で業績が落ち込み採算が取れず、2020年末までに不採算店40店舗の閉店を予定しています。その一方で、新店もオープンしています。ただし、単独の店舗ではなく大型ショッピングセンターのアリオの核テナントとしてオープンしています。集客数があるアリオにイトーヨーカドーを入れることで、相乗効果を得てイトーヨーカドーも少しづつ業績を伸ばしてきています。

また、イトーヨーカドーは漫画『クレヨンしんちゃん』に登場する「サトーココノカドー」のモデルとされ、2017年にはクレヨンしんちゃんが住んでいる埼玉県春日部市にある春日部店で1週間限定で看板も変更し「サトーココノカドー」として営業していました。

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

今や誰もが知っているコンビニエンスストアのセブンイレブンの運営会社です。セブンイレブンは日本で最も店舗数の多いコンビニエンスストアで、20,286店舗もあります。海外の店舗数を合わせるとなんと66,043店舗にもなり、日本だけではなく世界的にも一番多いコンビニエンスストアです。

セブンイレブンはもともとアメリカのテキサス州でオープンしたコンビニエンスストアチェーンでした。それをセブン&アイ・ホールディングスの現名誉顧問である鈴木敏文氏がIYグループを成長させるために日本へと持ってきて、1974年に東京都江東区の豊洲に「セブンイレブン豊洲店」として日本第1号店舗をオープンさせました。24時間営業しているお店は当時は画期的で、多くの消費者に受け入れられました。

セブンイレブンはその店舗数の増加とともに売上を伸ばし、2004年には当時親会社が運営していたイトーヨーカドーの収益を逆転し、現在はセブンイレブンの売り上げがセブン&アイ・ホールディングスの売上の約7割を占めています。

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